全身の体重を支え激しい運動にも耐えられる丈夫な骨であるためには、古い骨を溶かし、その跡を新しい骨で埋める仕組みが必要で、そのために2種類の細胞:破骨細胞と骨芽細胞がバランスを保って機能しています。
骨を溶かす破骨細胞の機能が骨をつくる骨芽細胞の機能を上回り骨が脆くなった状態が骨粗鬆症で、骨粗鬆症の「鬆」は、「ダイコン・ゴボウなどの芯や、煮すぎた豆腐などにできる、きわめて細かく通った多数の穴」を意味し、骨折を起こしやすくなります。
女性の骨量は20歳前半に最大のピークに達し、その後はほぼ一定の骨量が維持されますが、閉経を機に女性ホルモンの量が減少しますと骨量は一気に減少し、閉経後には骨粗鬆症になるリスクが高まります。また食習慣・運動習慣なども骨量に影響を与えますので、骨量を蓄積する若い時代の適切な生活習慣が重要となります。
骨量が減少した骨粗鬆症の初期の段階では、明らかな症状を自覚することは殆どありませんので、実際に骨量を測定して骨の状態を判断しなければなりません。一旦骨折が起こると日常生活での活動範囲が制限され、不幸な場合には寝たきりの生活を強いられることにもなりますので、骨貯金を増やして骨粗鬆症による骨折を予防することが重要となります。日常生活での食事として牛乳や大豆食品を積極的に摂り、また少し汗をかく程度に歩くなどの運動に定期的に取り組むことも大切です。
骨粗鬆症と診断された場合には骨量の低下の程度に応じて使用できる有効な薬剤がありますので、骨量をチェックして薬物療法を受けることをお勧めします。
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